強迫性障害ってどんな病気?【タイプ別】具体的な17の強迫症状



強迫性障害という病気を知っていますか?
知人にこの質問をしたところ、知っていると答えた人はいませんでした。
ほとんどの人が強迫性障害という病名すら知らないというのが現状です。

では、そんなに珍しい病気なのかというと、そうでもありません。約2%の人が発症すると言われており、100人に2人もしくは50人に1人がかかる病気です。決して珍しい病気ではなく、よくみられる身近な病なのです。

まだまだ認知度が低いため、ご自身が強迫性障害を発症したとしても病気だと気付かないこともあります。そこで、より多くの人々にこの病気を知ってもらえるように強迫性障害とはどんな病気なのかまとめてみました。

強迫性障害ってどんな病気?

強迫性障害は自分でも無意味でバカバカしい考え方や行動だと分かっているのにやめられない「こだわり」の強い病気です。ある特定の不安や心配事にこだわり、同じ行動を繰り返すことがやめられなくなります。本人も自分の考えや行動は過剰であると自覚しているにも関わらず、どうしてもやめることができません。強迫観念という不安要素が出現すると強迫行為を執拗に繰り返す病気なのです。

強迫観念とは

強迫観念とは頭に浮かんでくる特定の考えやイメージのことで、強い不安を感じます。不快な考えや不合理なものが多く、ふり払おうとしても執拗につきまとい、頭から離れません。
普通なら心配事があっても不安な気持ちに折り合いをつけて、普段通りの生活ができます。しかし、強迫観念によって不安にとらわれ、日常生活に支障が出ることもあります。

強迫行為とは

強迫観念が頭に浮かぶと、その不安を払拭しようとして強迫行為をします。自分でも意味のない行動だと分かっているのに何度も繰り返したり、やめることができません。
強迫行為をすると一時的に安心しますが、しばらくするとまた強迫観念が思い浮かび、不安になります。

強迫症状の悪循環

不安をやわらげるために強迫行為をすると、一時的にスッキリしますが、やがてまた不安に襲われます。さらに不安を取り除こうと強迫行為をしますが、やはり再び不安が生じます。強迫行為をすると不安が強くなり、頻繁に強迫観念が生じやすくなります。この一連の流れを繰り返すことで強迫症状の悪循環に陥ります。

さまざまな強迫症状

強迫観念や強迫行為に悪循環という言葉で説明してきましたが、何だかよく分からないな〜という方も多いのではないでしょうか。それではここからはもう少し具体的な症状についてお話していきます。
強迫性障害とひとことで言っても、その症状は様々です。それぞれの症状をタイプ別にみていきましょう。

1.不潔強迫



汚れに対する強い恐怖心から過剰な手洗いや長時間の入浴などの洗浄行為がやめられません。汚いと思う物に触れたら手洗いや洗浄をすることはもちろんですが、触れたような気がするだけでも洗浄しなければいけない時もあります。本人は洗いたくないのに洗わなければいけない状態に陥り、自分自身でコントロールすることができません。
不潔恐怖症や潔癖症とも言われることもあります。
恐怖の対象はさまざまです。

排泄物

便や尿などの排泄物に触れると感染症などの病気になるのではないかと過剰に不安になります。また、自分の排泄物であっても恐怖心を感じる場合もあります。
そのため、トイレに入る時、便座や床に排泄物が付着していると過剰に心配になり、トイレ使用後に何度も手を洗ったり、シャワーを浴びたりします。

血液

血液感染を恐れます。そのため血液を異常に避けます。例えば、衣類に赤色や茶色、ピンク色のシミが付着していたら、このシミは血液なのではないかと不安が膨らみ、シミが落ちるまで洗浄したり、シミに触れた手を何度も洗ったりすることもあります。
また、本人の身体の皮膚に傷などがあると、そこからバイ菌が浸入して感染症になるのではないかという強迫観念を抱くこともあります。

汗などの体液や排泄物を徹底的に避けるケースです。汗に触れるとバイ菌が繁殖したり、感染症の原因になるかもしれないと不安になるのです。そのため、満員電車などの人混みを避ける傾向にあります。人混みで人肌に接触することを恐れるのです。また、家族や自分自身の汗であっても恐れる場合もあり、汗に触れたと感じたら何度も洗浄を繰り返します。

化学物質

洗剤や薬品などの化学物質に触れたり、近づいたりすると、体に悪影響を及ぼすのではないかと過剰に心配します。ハンドソープや石けんで手や体を洗った後、気がすむまで何度もすすぎます。
また、漂白剤や殺虫剤などを避けるケースや、食べ物に含まれる添加物を過剰に気にする人もいます。

不特定多数の人が触れるもの

誰が触ったか分からないような公共の物に触れると、インフルエンザやその他の病気などのウィルスに感染するのではないかと恐れます。
下記は恐怖の対象の具体例です。


  • お金
  • 電車の吊り革
  • ドアノブ
  • レンタル品
  • エレベーターのボタン
  • インターフォンのボタン
  • 公衆電話


こういった物に触った後は洗浄行為をします。
例えば、外出先で汚れたと感じると、帰宅後に着ているものを全て脱ぎ、シャワーを浴びなければならず、本人にとっては苦痛な作業になります。洗いたくないのに洗わなければ気がすみません。
目に見える汚れがなくても、汚れていると思い込み、手や体を洗い続けます。また、汚れたと感じる物にさわることができません。潔癖症というと綺麗好きで家の中も綺麗だと思われがちですが、床に落ちた物を拾えない、汚れた物を片付けられないなど、家の中に物が散乱しているケースも少なくありません。

2.確認強迫


外出前や就寝前に、ガスの元栓が閉まっているか、テレビやエアコンのスイッチが切れているか、玄関の鍵が閉まっているかどうかなど何度も何度も確認します。確認行為に1時間以上かかるようなケースもあり、とにかくしつこいくらい確認しても不安感が拭いきれないこともあります。


  • ガスの元栓
  • 玄関の鍵
  • 電化製品のスイッチ
  • 窓の鍵
  • 瓶の蓋、ペットボトルの蓋
  • 書類の内容や手紙の宛先
  • 忘れ物


ガスの元栓を確認するのは火事になることを過剰に恐れたり、ガス漏れによる有害物質などを恐れるからと考えられます。
泥棒が入って大切な物を盗まれるのではないかという不安から、玄関の鍵などの戸締りに関する確認行為をするようになります。

また、瓶の蓋やペットボトルの蓋がきちんと閉まっていないと中身がこぼれてしまうかもしれないという不安から、力一杯蓋を閉めます。

会社での勤務中、書類にミスがないか何度も確認したり、手紙や郵便物の宛先が間違っていないか、郵便物の中に違う物を入れていないか執拗に確かめます。

電車を降りる時に忘れ物がないか何度も確認することもあります。周囲の人に不審がられてもお構いなしに確認してしまうこともあり、本人はやめたいのにやめられません。

3.加害恐怖

自分が他人に危害を加えたり、迷惑をかけることを異常に恐れます。
例えば、道路を歩いていて、他人とすれ違う時に相手を傷つけてしまうのではないかと極端に心配したり、車を運転していた時に誰かをひいてしまったのではないかと不安になり確認に戻ったりします。

4.被害恐怖

自分が被害にあうのではないか、過去に被害にあったのではないかと過剰に心配になります。
また、何かトラブルが起きた時に自分のせいにされるのではないかと恐れるケースもあり、それを回避するため人の目を気にするようになります。周囲の反応を気にするあまり、外出できなくなったり、日常生活に差し支える場合もあります。

5.正確さ・対称性(不完全強迫)

物を並べる時、例えば文房具やリモコンなどを自分が決めた特定の位置、特定の順序で並べなければなりません。左右対称にこだわる場合もあり、きちんと並んでいないと不安になります。
また、読書をしていても言葉の意味や文章の内容を正確に理解できているか気になり、なかなか読み進めることができません。一度気になると納得できるまで次のページに進めないので、読書をするにも時間がかかります。

6.身体・病気(疾病恐怖)

自分の体調に敏感で、些細なことでも何か重大な病気なのではないかと過剰に心配になります。
病気を心配して医療機関で検査を受けたりします。検査の結果、異常なしと出ても、しばらく経つとまた不安になり、安心を求めて繰り返し検査を受けます。

7.ため込み(保存強迫)

不必要なものであったとしても、いつか必要になるかもしれない、大事な物を誤って捨ててしまうかもしれないという強迫観念が出てきて、なかなか捨てられません。そのため家の中が不用品で溢れてしまうこともあります。

8.縁起

縁起、迷信を過剰に気にします。縁起の悪いこと、不吉なことを極端に避け、生活に支障をきたすこともあります。

9.強迫性緩慢

食事や服を着る時などに、ある決まった順番やルールにとらわれて、本来の目的を達成できなかったり、動作が遅くなったりします。

10.宗教

神を冒瀆するようなことを考えたり、発言したり、おこなったりして、罰を受けるのではないかと心配し続けます。

11.質問癖

なんでも徹底的に質問しなければ気が済みません。
重要な内容を聞き漏らしてしまうのではないかという強迫観念から何でも質問したり、電話で問合せたり、書籍やインターネットで徹底的に調べます。
これと似た症状に本を読む時の強迫行為があります。本に書いてある内容をきちんと理解しているか不安になり、何度も同じ箇所を読み返すので読書に時間がかかります。そのため読書をしなくなる場合もあります。

12.性

小児性愛や倒錯した性行動など、自分にとって受け入れがたい性的なイメージが浮かんできて、とらわれてしまいます。

13.数唱強迫

4や9などの不吉だと思われる数字を極端に避けます。
また、例えば3という数字にこだわる場合、同じ動作を3回繰り返したり、同じ言葉を3回繰り返すなど、自分で作り出した儀式をしなければなりません。

14.恐怖強迫

恐れている言葉を発言することが怖くてできません。もしも、言葉に出してしまったら、恐れていることが現実化するのではないかと恐れます。

15.繰り返し強迫
不安なことが頭をよぎると、何度も何度も同じ行動を繰り返して不安を振り払おうとします。繰り返し行為をしている途中で嫌なイメージが浮かんだら、初めからやり直さなければならず、なかなか終わらせることができません。

16.道徳的潔癖症

道徳を重んじるあまり、偽善や詐欺などといった汚れた考えを過剰に嫌います。
もしかすると人を騙したり欺いたりしているのではないか、知らず知らずのうちに不当な利益を受け取っているのではないかという強迫観念が出てきます。
学歴詐称恐怖とは、学歴を偽っているのではないかと不安になったり、本当に卒業したのか不安になったりします。

17.疑念嫌い

何か疑問に思うことが生じると、今すぐ解決させなければ気がすみません。それがどんなにバカバカしいことだったとしても、放っておくことができず、スッキリするまで調べたり確認したりします。

まとめ

強迫性障害と一言で言っても、その症状は多岐に渡ります。まだまだ認知度が低いこの病気。今も病気だとは知らずに症状に苦しんでいる人がいるかもしれません。
病気だと気付くだけでも心が楽になることもあります。
一人でも多くの方々に強迫性障害のことを知っていただきたくて、こちらのページを作成しました。
このページの内容は個人調べですので、間違っている部分などがございましたら、お手数ですが、教えていただけると幸いです。ご連絡いただきましたら、できる限り早めに訂正したいと思います。
皆様のご協力でより良いページにしていければと思っております。何卒、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

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