曝露反応妨害法の具体例と考える暇を与えないことの大切さ

強迫性障害の症状が辛くて、曝露反応妨害法で治療を始めています。
特に洗浄強迫の症状が強くて、日常生活が困難になっていました。
手を洗わないと何も触ることができないので、生活をしていく上では全ての動作がエクスポージャーです。

そんな生活をしている最中の出来事でした。
お昼過ぎ頃、夫から電話があり、「郵便物が来ているかもしれないので今すぐ家のポストを確認してほしい」とのことでした。
緊急そうだったので、協力してあげたいと思いました。


曝露反応妨害法を実践


突然の夫からの依頼で動揺しましたが、これは曝露反応妨害法を実践できる良いチャンスだと思い、協力することにしました。


玄関の外に出るという不安に晒す


ポストは玄関の外にあります。
ポストに行くには靴を履いて外に出なければいけません。
玄関はトイレと並んで最高レベルの汚染です。
非常に強い苦痛を伴います。

今までのわたしの行動

治療をする前のわたしだったら、ポストへ行くには、まず汚れても良さそうな服に着替える必要がありました。靴下も履き替えたいところです。

そして、家に戻ったら全部着替えて洗濯機に入れるでしょう。手洗いして、必要なら足も洗って、さらに必要なら髪の毛も洗い、全身洗ってメガネも洗うことになるかもしれません。

ちょっとそこのポストに行くだけなのにリスクが高すぎます!

今回のわたしの行動

今のわたしは強迫性障害の行動療法をしています。
根拠のない不安から行動範囲を狭めないように心がけています。

夫も急いでほしそうだったので、考える暇もなく、そのままの服装で子供を抱っこし、靴を履き、玄関のドアを開けて外に出ました。
とっさのことだったので、よく覚えていませんが、おそらくズボンと靴も触れてしまったのではないかと思います。
いつもならズボンと靴を凝視するのですが、急いでいたので見る暇がありませんでした。

そして結局、郵便物は来ていませんでした。


洗浄行為をしないという儀式妨害


家の中に入るとすぐに洗浄行為をしたかったのですが、こういう時に限って子供が泣き始めます。泣かせて放っておいて洗浄するのも気が引けますし、それでは治療にならないので、子供をあやすことにしました。
儀式妨害です。
着替えることもなく、靴下もそのままで、手も洗いませんでした。

気持ち悪いと感じること

ポストから戻った直後は気持ち悪くて仕方ありませんでした。すぐにでも着替えて洗浄したい気持ちでいっぱいになりました。
一番気持ち悪いと感じたのは靴下です。直接、靴と接触したわけですから、汚染は最高レベルです。
その靴下のまま子供を抱っこして、家の中を歩いて回りました。
歩いた床が汚れてしまうような気がしましたが、考える暇も無く子供をあやすのに必死になっていました。

気持ち悪さの軽減

子供は眠かったみたいで、抱っこして歩いていると寝てしまい、寝付く頃には靴下の汚れのことはすっかり忘れていました。
寝かせた後もそのままの服装で過ごすことができました。
汚れのことは気にならなくなっていて、綺麗とは言えないけど、後でお風呂に入れば大丈夫というレベルまで下がっていました。


考察


今回の勝因は、考える暇がなかったことです。
緊急だったこともあり、すぐに行動しなければいけませんでしたので、考える時間がありませんでした。

いろいろ考えると不安が大きくなっていきますが、考える前に行動すれば不安も小さいままなのです。
「暇は強迫性障害の餌」と言われるのはこういうことなのかもしれません。

今後の曝露反応妨害法を進めていくためには、考える前にすぐ行動することが鍵になってきそうです。

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